手しごとの美と出会う、松本の春の風物詩
長野県松本市で毎年春に開催される「クラフトフェアまつもと」は、日本を代表するクラフトイベントの一つです。全国からクラフト作家が集まり、木工・陶芸・ガラス・染織・革・金属など、多種多様な手工芸作品が並びます。美しい松本の自然と、クラフト作品のぬくもりが融合するこのフェアは、手仕事の魅力を全身で感じることのできる特別な場です。クラフトフェアまつもとの歴史と理念
クラフトフェアまつもとは、1985年に始まりました。もともとは松本市の「あがたの森公園」で地域のクラフト作家たちが手づくり品を持ち寄って開催した小さな催しでしたが、年々規模が拡大し、今では日本全国から応募がある大規模なクラフトフェアへと成長しました。
その根底にある理念は「作り手と使い手をつなぐ」こと。作家と来場者が直接話し、作品に込めた想いや制作背景を伝えることを大切にしています。作り手と使い手が同じ空間で時間を共有するこのフェアには、単なる展示販売を超えた深い交流が生まれます。
会場の魅力:あがたの森公園という舞台
開催場所である「あがたの森公園」は、クラフトフェアの雰囲気をより一層引き立てる重要な要素です。旧制松本高等学校の校舎が残るこの公園は、歴史的建造物と緑豊かな自然が調和した美しい空間。木漏れ日が差し込む小道、広がる芝生、ゆったりとした時間が流れる園内は、作品を見るだけでなく、散策やピクニックも楽しめる場所です。
出展者と作品の多様性
クラフトフェアまつもとには毎年約250組以上の作家が出展し、作品のジャンルも非常に幅広いです。
陶芸:日常使いのうつわから芸術的な一点物まで、個性豊かな陶器たち。
ガラス:透き通る素材に光が差し込む美しいオブジェや器。
布・染織:草木染めの衣類や手織りのショールなど、素材と手仕事の調和。
革製品:使い込むほどに味が出る鞄や財布。
金属:鍛金や鋳造によるアクセサリーや生活道具。
いずれも作家自身の手によって一点一点丁寧に作られており、それぞれのブースで作家の話を聞くことができるのが魅力です。
ワークショップとライブイベント
近年では、作品展示だけでなく、ワークショップやパフォーマンスイベントも開催されています。
染物や陶芸の簡易体験
地元ミュージシャンによるライブ演奏
クラフトに関するトークイベントやレクチャー
こうしたイベントを通じて、「見る」「買う」だけでなく「体験する」ことができるのもクラフトフェアまつもとの大きな特徴です。
地元の魅力とフード出店
会場には、松本市内外の飲食店によるフードブースも多数出店します。
地元食材を使ったキッシュやサンドイッチ
スパイスカレーやベジタリアンメニュー
焼き菓子やクラフトビール
また、フェアの開催にあわせて周辺のギャラリーやカフェでも特別展示やイベントが開催され、松本全体がクラフトの街となります。観光客にとっても、地元の食や文化を丸ごと楽しむ絶好の機会です。
参加のコツと注意点
クラフトフェアまつもとは人気イベントのため、事前準備が成功の鍵になります。
歩きやすい靴:会場は芝生や土の地面が多いため、スニーカーなどが最適。
エコバッグ持参:作品を購入した際の持ち帰り用にマイバッグを忘れずに。
現金も用意:最近はキャッシュレス決済対応の作家も増えていますが、現金しか使えないブースもあります。
公共交通機関の利用:周辺は非常に混雑するため、電車+徒歩やシャトルバスの利用がおすすめです。
クラフトフェア情報
時間:10:00~16:00
会場:あがたの森公園(長野県松本市県3-1-1)
主催:松本クラフト推進協会
入場料:無料
クラフト作家・出展者の皆様へ
応募方法:公式サイトから応募要項を確認し、必要書類を提出してください。
選考:応募多数の場合は選考があります。
展示場所:当日の朝に会場内で自由に選択できます。
販売について:フェアは展示を主としていますが、作品の販売も可能です。ただし、販売を第一義とせず、作品を見てもらうことを重視してください。
注意事項:作品が完売しないよう、2日間を通して展示できるように準備をお願いします。
アクセス
バス:松本駅から「タウンスニーカー東コース」に乗車、「あがたの森公園」下車。
自転車:松本市内にはシェアサイクル「HELLO CYCLING」のステーションがあります。
駐車場:会場周辺に駐車場はありません。公共交通機関の利用をおすすめします。
宿泊:松本市内には多くの宿泊施設があります。早めの予約をおすすめします。
飲食:会場内外に飲食ブースやカフェがあります。地元の食材を使った料理をお楽しみください。
※このページは内容を保証するものではありません。詳しい必ず主催者のサイトでご確認ください。